top of page

泉田 金太郎さん  94期

 スウェーデンとドイツ出張から帰ってきたばかりの泉田君に夜22時から時間をもらってインタビュー。インタビュワーは、同期の吉田悟君(monobank代表取締役)。

横浜と西武の交流戦の始球式を務める泉田さん (2023年6月5日、横浜スタジアムで)

 

泉田金太郎さん 94期 玄洋中学出身 

三菱電機モビリティ事業企画室長兼再編事業プロジェクトグループマネージャー


(学歴・職歴)

静岡県立大学 国際関係学部

京都大学大学院 法学研究科(近現代アジア政治専攻)


1999年~2002年:ING生命保険、


2002~2019年:日産自動車でインドネシシア日産自動車社長など


19年4月~ :Polaris Japan,President Director


2020年5月~2022年4月:日本電産(Nidec)で常務執行役員兼最高業務責任者など


2022年~2024年2月:ジョンソンコントロールズ日立空調バイスプレジデント兼日本・アジア地域ゼネラルマネジャー

 

豊高時代・大学時代について 


 彦島から出れたことがうれしかった。帰宅部だったが、スクールカーストや差別などもなく楽しかった。バス通学が本当に楽しかった。実は1年生の時にちょっとした問題を起こしてしまい、豊高に残れるか微妙だったが、ギリギリ残して いただけたことに感謝して、3年間通わせていただいた。豊高時代から国際政治 に興味があり、新聞は毎日読んでいた。 京都大学の故高坂正堯先生が静岡県立大学 に移ると聞いて受験。大学は4年間いっぱい遊び・政治学の勉強もして、京都大学大学院に進んだが、中西寛先生はじめ、自分より遥かに優秀な人達に出会い、学問の道を断念。一番給料が高かった外資系金融機関に就職することにした。



現役の豊高生に大学にいくべき理由を聞かれたら? 


 これからの時代、学歴はあまり意味がなくなると思っている。実際、日産のトップエグゼグティブ7人のうち、 2人が中卒だったこともある。大学は自分がもっていない考えを持っている人達に出会い、視野を広げ、一生の友人をつくるための場所だと思う。



外資系金融機関時代 


 経営企画ということでM&Aや投資信託の商品企画を行っていた。オランダの本社にも研修で行かせてもらった。給与もかなり良くて、2年ぐ らい経った時に、このままこの会社にいれば 幸せなんだろうともおもったけど、結局、 パワーポイント・エクセル人生なのかもな とも思った。ある日見た日経新聞の日曜版に 日産の求人広告があって、車も好きだったし、 昔からF1も好きだったので、給料は2,3 割下がるけど、手触り感のある、そんな感じの会社に入ってみたいなと思って日産に転職した。


日産時代 


 当時、日産はゴーンさん(カルロス・ゴーン 氏)を迎え、成長ドライバーを中国市場だと考えていた。日産では3年間本社で勤務した後は、本社でゴーンさんの秘書をしていたと き以外は 香港、北京、武漢、インドネシア、 フランス(ルノー本社) と海外生活が長かった 。大学院時代の中国政治研究を活かせた。


 大切にしているのは、逃げないこと。 困難を楽しむこと、そして新しいことを恐れないこと。気概と執念。



海外でのマネジメント経験で学んだこと


  海外で仕事をしてきて、まず大切なのは 上から目線は絶対に駄目だということ。 現地のことを知っているのはやはり現地の方々。リスペクト&トラスト(敬意と信頼)を持つことがスタートライン。 基本、現地の人達に任せないといけない し、彼らをモチベーションしないといけない。一方でガバナンスやコンプライアンス等のボトムライン(受け入れ可能な最低の条件)を決めることが最低限必要 だと思う。その上でフェアウェイだけを 求めるのではなく、幅を持ってラフでも OKというような、いわゆるOB杭を越えな いマネジメントが必要だと思う。その上で 小さい成功を積み上げていくとモメンタム (推進力)が湧いてくる。日産中国は現地国営企業との合弁会社でしたが、販売台数3万台から、私が辞める頃には150 万台に成長することができた。


かなり若くしてインドネシア日産社長に 


 当時は最年少部長だったと思う。中国で 開催したイベントで問題が起き、ゴーンさんを怒らせてしまった。クビを覚悟していると、 翌日、CEO室から電話があり、インドネシア の社長に任命すると。理由を聞くと、 「あなたは困難から逃げずに、限られた条件の中である程度の結 果を出した。

経営者に必要な2つを成し遂げられたので、昇格とした」と。なおゴーンさんから過去、 一つだけ褒められたことがあった。 「泉田君は(日産の)日本人で初めてプレゼン の中で、一言も、トヨタなどの同業他社との比較を持ち出さなかった」と。20年以上前だが、プレゼン内容 は、これからの車会社のライバルはGoogleで あり、アップルであり、デジタル時代になるので、そういった存在に対抗していかないと 難しくなる、という話をした。 時代の先を読まないといけないとした姿勢を評価してもらったと思う。


 その後、ルノーの中国ビジネス2年で立ち上げて、そこからまた日産の中国ビジネスやれってことで、また中国にいった。 私としては中国に関してはプロフェッショナルだと思っている。私自身は、役職とかではなく、自分のプロフェッショナリティーを活かすために、いろんな仕事をやってきたと思 っている。



 

影響を受けた本

10代は星新一「ショートショート」。 今だと「ロジカルシンキング」 「経済政策を売り歩く人たち」「石油の世紀」


座右の銘  

永守さんの 「すぐやる、かならずやる、出来るまでやる」 「1人の100歩ではなく、100人の一歩」


自分の強み

逃げないこと、困難を楽しむこと、 新しいことを恐れないこと。気概と執念。

 

Nidec(日本電産)へ 


 結果的に成長に対する考え方の違いがあり日産 を退社することに。 中国時代の元上司に誘われてNidecへ転職した。 私自身の役職云々とかではなく、本当にNidecを日本一の会社にしようって いう夢があった。当時Nidecは永守重信さんと いうカリスマ経営者が後継者を探している 時期で、会社が変わっていくってこういう 感じなんだなというワクワク感があった。リーダーにとっていちばん重要なのは、結果をだすためにやる べきことをやることだと思う。



永守さんの薫陶を受ける 


 永守さんから言われたことで印象的なこと はたくさんある。 時給=自分の価値=生産性を上げることが大事だと言われた。365日働いたって、 所詮、時間で差がつくのは他者の2倍から 2.5倍でしかないのだと。 永守さんのエピソードで、タイで洪水が起きて、工場設備が全て水没したときに、 永守さんはすぐに現地に文字通り飛んでいって、真っ先に海パン一丁になって、 ワニがいると言われた水中に潜って沈んだ 工場設備を引き上げようとした。 すると部下も一斉に追随した。 結果、他社よりも先に工場設備を引き上げることができ、タイでのシェアを一気に 獲得することができた。 これが、彼の言う、1人の100歩ではなく100人の1歩。

「1人の100歩が100人の一歩に」 変わる瞬間なのだと思う。リーダーに とっていちばん重要なのは、結果を出す ためにやるべきことをやることだと。 また、タイトル(役職)っていうのは 会社の中で使うものじゃないぞと言われた。 社長って言うのは社内では偉くない。 偉そうにするなよ。お前は常務だけど 偉そうにするなと。常務ってタイトル (役職)を使うのは外に対して使うもんや、と教えていただいた。


 これまで出会った人たちに求められていく形 で私のキャリアは決まっていっている。 有難いことにお前と一緒に働きたい、 お前を使いたいって言っていただいて 今があると思う。私の仕事の原動力は、もし世界を変えら れるチャンスがあるならそれにベット したいと言う想い。 休みがないことと、プライベートがない ことは違う。子供との時間はとても大切 にしている。



我々も50歳。今後のキャリアイメージは?


 日経新聞の「私の履歴書」で例えると、永守さんとか 孫さんとか見ていて思うのは、彼らは (人生を一ヶ月とすると)自分はまだ 20日目だと思っている。20日間分の話を 披露した後に、まだ10日分やれることが 沢山あると言う。70歳だろうが80歳だろ うが関係なく、本当にそう思っている。

 だから私もまだ15日目だと思っている。 何歳になっても「私はまだ10日分残っている」と思い続ける 人が世界を変えて行くのだと思う。 誰でも、自分が今まで一生懸命にやってきた ことは凄いことだ。それを他者と比べたり、 卑下したりするのは違うと私は思う。 自分が頑張ってきたことは凄いことで、 歳を重ねても、まだあと10日分もやれる って思えることが大事かと思う。「私はまだ10日分残っている」 と思い続けることができる人が 世界を変えて行くのだと思う。



現役の豊高生に向けてメッセージを  


 誇りをもって欲しい。自分がやってきたこと、 選んできたこと、今からやることに誇りを もってほしい。豊高は他校と比べて、 などと考える必要はない。 自分が決めたことに誇りをもってほしい。


豊浦高校同窓会キャッチフレーズ

第124回豊高同窓会総会WEB会報誌

豊浦高校同窓会事務局
〒752-0984 山口県下関市長府宮崎町1-1
​このサイトに関するお問い合わせ:toyora94@gmail.com
第124回豊高同窓会総会
Copyright© Toyora High-School 94generation. All Rights Reserved.
bottom of page